1月4日、イランの首都テヘランで、サウジアラビアがイスラム教シーア派の高位聖職者ニムル師を処刑したことに抗議する聖職者ら=2016年(AP)【拡大】
アーネスト米大統領報道官は4日の記者会見で、イスラム教スンニ派の大国サウジアラビアがシーア派大国イランとの断交を発表したことをめぐり「両国が中東情勢の緊張を緩和する必要がある」と述べ、宗派対立をこれ以上あおらないよう関係国全てに自制を要求した。
オバマ政権は、両国の対立がシリア和平交渉やイスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」(IS)との戦い、イラン核合意の履行に悪影響を与えることを懸念しており、緊張緩和に向けた仲介外交に乗り出した。いずれも世界の主要産油国であるサウジとイランの対立は原油、株式市場の波乱要因でもある。世界経済の先行きに不透明感を広げかねず、政権の危機感は強い。
国連やロシアなども緊張緩和に向け一斉に仲介を本格化。ドイツはサウジに軟化を迫るための武器禁輸を示唆した。
これに対し、サウジ、イラン両国からは事態沈静化につながる発言も出始めた。サウジのムアリミ国連大使は4日、イランと断交後もシリア和平協議に参加を続けると強調。イランのホシュルー国連大使は、国内で起きたサウジ大使館襲撃に遺憾の意を表した上で、関与した40人以上を拘束、再発防止措置を講じるとの書簡を潘基文国連事務総長に提出した。