国際原子力機関(IAEA)本部に到着した(左から)イランのザリフ外相、天野之弥(ゆきや)IAEA事務局長、欧州連合(EU)のモゲリーニ外交安全保障上級代表=2016年1月16日、オーストリア・首都ウィーン(AP)【拡大】
ケリー米国務長官はウィーンで記者会見し「きょう世界はより安全になった。戦争より外交を優先すべき理由を証明した」と強調。イランのロウハニ大統領は17日、国会で演説し「国の発展と外国との交流に道を開くものだ」と喜びを表した。地元メディアによると、石油省は原油の増産を指示した。
イランが核開発の制限を受け入れたことは「核なき世界」を掲げたオバマ米大統領の外交成果。北朝鮮の核実験で核不拡散体制が揺らぐ中、機運回復に望みをつないだ。合意はウラン濃縮活動などを10年以上制限するが、将来の開発拡大に向けた技術・権利は温存。今後は、徹底した査察体制の確立が鍵になる。
イランが、外交と経済の両面で存在感を高めるのは確実。敵対するサウジアラビアなど周辺アラブ諸国との緊張がさらに高まる恐れもある。(共同/SANKEI EXPRESS)