アコードHVの運転席の各種操作ボタンなど【拡大】
二宮研究員は「アコードHVの開発にあたっては、エンジンやデザインなどの部門ごとに目標を設定させた。特に重要だったのが、圧倒的な燃費性能を実現するためのハイブリッドシステム。この開発責任者を務めた島田裕央主任研究員が打ち立てた目標が「世界最高の効率のハイブリッドシステムを製造する」ことだった。
「競合他社と似たものを作るのはホンダの文化が好まない」(島田主任研究員)。念頭に置いたのはHVで先行するトヨタ自動車のシステムとの差別化だ。「独自のものを作ろうと最初からみんな張り切っていた」と振り返る。
トヨタと同様に走行用と発電用の2つのモーターを搭載するシステムながら、トヨタがエンジンとモーターの配分を常に最適に制御するのに対し、ホンダはあくまでモーターを動力の主体と位置付けた。低速走行中はエンジンを止めたままモーターで走行。加速時やバッテリー容量が少なくなるとエンジンで発電し、加速や充電に利用する。高速走行時にはエンジンだけで駆動させる。それらをバッテリー残量などの環境変化に応じて巧みにマネジメントする。