東南アジアは2期作、3期作が当たり前。幸い現在は復旧し、再び水田で稲を育てている。コメを粉にして煮た後に臼でこねる主食の「カウノム」を作るためだ。自給自足が原則の村。貨幣経済はあまり浸透していない。
アッタプー県の県庁所在地郊外には、恵まれない子供たちが寝食を共にし勉強を続ける「ボーディング・ソンパウ・スクール」がある。学費や食費などは一切無料。支援団体の寄付などでやりくりしている。生徒は500人ほどだが、驚くのはその年齢構成。義務教育制度は事実上機能せず、現在は11~25歳の生徒たちが男子寮、女子寮に分かれて暮らしている。寮の一角には託児所も。経済的な理由などで学校に行けなかった生徒たちが、学ぶ楽しさを肌で実感している。
飯田さんは、昨年11月上旬にタイ中部サケーオ県にある寺院経営の孤児院も訪ねている。幼稚園児から中学生までの1435人が共同生活を送る。