幸い、全体の経費はソチ五輪で約4兆2000億円といったかな。ロンドン五輪が約2兆円だ。これだけかかるということになると、なかなか次の五輪をやるという都市が出てこなくなる。2022年の冬季五輪はオスロが辞退した。大変な金がかかるということだ。だんだん五輪に金がかかりすぎるという批判や心配が各国のオリンピック委員会で話題になっている。
開催地がいまも決まっていないのが自転車だ。なぜかというと、大変お金のかかる競技でね。施設を造ったあとにどうするのかという話で、ある人がいうには『日本にちゃんとありますよ』と。聞いたら修善寺だ。そこへ持っていけばいいということになって、いったんは修善寺にいくことが決まったが、国際連盟のほうがなかなか『いい』といわない。今はまだ折衝中だ。
今後、国と都と組織委員会が施設を用意するが、都と組織委員会の金額に比べて、国が負担するのは新国立競技場だけだから、ずっと金額は低い。そういう目でみなさんには見ていただきたい。新国立競技場の2520億円が高いか安いか。五輪で使う施設の建設費を総合すると実は国が一番安い。このあたりの数字は安倍晋三首相はご存じない。こういうことを下村博文文部科学相は知っているんだから、もう少しきちんとそういう説明を閣内でしないといけなかった。