「大阪市役所の組合を市民感覚に合うように是正、改善していく」とグレートリセットを掲げた橋下徹市長(当時)。対職員・組合施策をめぐる訴訟の1審では、いずれも市側が敗訴したが、2審段階では逆転勝訴や軌道修正もあり、組合側の完勝はアンケート訴訟ぐらいに…。市民はどう評価する?【拡大】
「このアンケートは、任意の調査ではありません。正確な回答がなされない場合には処分の対象となりえます」
アンケートに先立ち、職員にはこんな市長メッセージが送付され、職員に回答が義務付けられた。
1審は、橋下氏が組合非難を続けていたことを前提に、組合加入の有無などを尋ねた5項目の質問が団結権やプライバシー権の侵害にあたるとした。今月16日の2審判決は職員や組合側の主張をさらに広く認め、市に対して1審のほぼ2倍に当たる約80万円の賠償を命じた。市側の完敗といえる内容で、市は上告断念を決めた。
組合側完勝はアンケートだけ?
こうしてみると1審ではいずれも橋下氏が敗訴し、しかも労使関係条例について「適用すれば違憲」とまで指摘されるなど、大敗していることが分かる。いずれも大阪地裁の中垣内(なかがいと)健治裁判長による判決。橋下流に対する完全な「NO」という意味で、判断は一貫していたといえる。