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【「日本の食」未来へつなぐ】(8-7) 山椒と塩 一気に引き立つ家庭料理

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【「日本の食」未来へつなぐ】(8-7) 山椒と塩 一気に引き立つ家庭料理

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(手前から)2種類の塩を添えたサトイモの素揚げ、イワシの実山椒(さんしょう)煮、ゴルゴンゾーラとリンゴ、ベビーリーフの山椒ドレッシングサラダ=2014年12月17日、東京都渋谷区(寺河内美奈撮影)  ≪和歌山と三重の旅を終えた松田美智子さん。日々の暮らしの中で楽しめるよう、山椒(さんしょう)と塩を使った料理を提案してくれた≫

 今回のレシピは3品。ヤングリーフ、ゴルゴンゾーラチーズ、リンゴのサラダは、ドレッシングに粉山椒を加えています。オリーブオイル大さじ4と粉山椒小さじ1、メープルシロップ大さじ1、ワインビネガー大さじ2と塩小さじ1を合わせたドレッシングです。山椒は甘みと相性がいいんです。さらに、メープルシロップと合わせたクルミをソテーして、熱いうちに粉山椒を振りかけ、冷蔵庫で固めたものを砕いてトッピングにします。食感にアクセントが加わります。このクルミはアイスクリームに添えてもおいしいですよ。

 山椒は臭み消しにも最適ですので、イワシの煮物にも加えてみました。

 頭と内臓、尾を取り、水気を取って薄力粉を薄くふったイワシ4尾を、実山椒大さじ1、ショウガの千切り大さじ2、酒2分の1カップ、三温糖大さじ1、しょうゆ大さじ2、水1と2分の1カップで煮、煮上がる1~2分前に実山椒大さじ1を追加します。山椒を加えるだけで、いつもの煮付けがぐっと高級な味に仕上がります。

 シンプルに塩と山椒を味わいたいなら、サトイモの素揚げに、岩戸の塩だけのものと、塩と粉山椒を2対1で混ぜた山椒塩の2種類を添えて。

 毎日の食卓を彩る家庭料理では、いつも特別な食材や技術を使えるわけではありません。でも、とっておきの香味や調味料があれば、一気に味が引き立つ。それがうれしいところですね。

 ≪調味料 多彩な個性≫

 未来へと伝えたい香味・調味料はほかにも全国にたくさんあります。

 福井市「麩市」の「地がらし」(1)は、辛子を種ごと挽いたもので、風味が強く、後から辛味が追いかけます。広島県呉市「きぢ醤油」の「うすむらさき」(2)はうま味も味も濃厚なうすくちしょうゆ。新潟県妙高市「かんずり」の「吟醸生かんずり6年仕込み」(3)は唐辛子とこうじなどを合わせて寝かせた新潟県の伝統的な調味料。甘みのある辛さで、鍋や唐揚げなどの薬味に最適です。樹齢100年を超える枯木柚子からできた神戸市東灘区「カネトシ」の「手しぼり枯木ゆず果汁」(4)と「枯木ゆずこしょう」(5)は味わいも香りも格段に高いのが魅力。青森県南部町「善八」の「八助のしそ漬け」(6)は、梅と交配させたあんずを漬けた物。大粒のフルーティーな梅干しといった味わいで、炒め物などに加えて調味料としても使えます。(取材・構成:塩塚夢/撮影:寺河内美奈/SANKEI EXPRESS

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