訪日客、大都市から地方へ送客課題 「ゴールデンルート」に集中

2016.1.20 06:21

 訪日外国人旅行者数が目標の年間2000万人をほぼ達成したが、今後の課題は大都市から地方への送客だ。旅行客の訪問地は、東京と京阪神を結ぶ「ゴールデンルート」に偏っているのが実情。結果として首都圏を中心にホテルが不足し、国内のビジネス需要を妨げる事態なども生じているだけに、対策が急がれる。

 「好調なインバウンドの効果を全国に波及させることが、地方創生の観点からますます重要」。石井啓一国土交通相は19日の閣議後会見でこう指摘した。その取り組みの一つが、東京や関西を除く7地域を対象に政府が“お墨付き”を与える「広域観光周遊ルート」の整備だ。四国地方を中心とした「スピリチュアルな島」ルートでは、お遍路体験などを盛り込んだ滞在型ツアーを企画する。

 訪日客による消費の恩恵を広げるため、消費税の免税制度も来年度から拡充。免税の最低購入金額を現在の1万円超から5000円以上に引き下げるなど、地方で土産品を買いやすくする。

 また、アジアの格安航空会社(LCC)などが地方空港に就航するのを促すため、地元自治体と国の折半で着陸料を引き下げる制度を新設。民間では、全日本空輸と日本航空が国内線を「一律1万円」とする訪日客向けプランを導入した。

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