■コンサルティング営業の深化
国内証券会社屈指の販売網を持つ野村証券が、営業改革に取り組んでいる。自社が持つ豊富な商品・サービスラインナップを、顧客のニーズに合わせていかに提案していくかという意味で、コンサルティング営業の質は、顧客の信頼とビジネス拡大の要。「すべてはお客様のために」を基本観とする野村グループの真価が問われる根本部分でもある。コンサルティング営業の深化に向けた、同社の取り組みを追った。
社員に意義徹底
「営業の質を変える」-。
2012年8月に発足した野村グループ新経営体制の下で、営業部門最高経営責任者(CEO)に森田敏夫氏が就任し、従来から取り組んできた営業改革をより強化していこう、というメッセージが野村証券社内に発信された。
「営業部門が目指すべき方向と具体的戦略」としてまとめられた社内向け資料が作成されたのは翌年1月。そこには「お客様の信頼の獲得とビジネスの拡大の両立」をスローガンに掲げた経緯と、その実現のために同社が行う15の施策を明記。森田営業部門CEOをはじめとする役員および本社スタッフが、資料を持って全国の支店を訪れ、同社が進める営業改革の意義を、社員に説明して回った。