「日本市場を軽視していると取られかねない」
志賀はこう言って、一部の外国人役員に真っ向から対立した。13年5月、日産で最も長い歴史を持つスポーツセダン「スカイライン」のブランド廃止が提案された役員会でのことだ。
外国人役員らは、スカイラインを海外で販売する際のブランド名「インフィニティQ50」に呼称統一すべきだと主張した。これに対し、日本人幹部らは志賀の主張に同調した。
外国人役員と「番頭」の板挟みとなったゴーンは頭を痛めた。この時、ゴーンは記者団に「スカイラインの名称統一はメリットとデメリットがある。検討中だ」と苦しげに漏らした。
昨年11月に発表された新型車は前面に「インフィニティ」、後部には「スカイライン」のマークを入れ、両者の顔を立てた形に収まった。最終的にゴーンは、志賀の進言を取り入れ、スカイラインの名を守る選択をしたのだ。「極めてオーソドックスな決定をする。是々非々はなく、私が進言すれば聞いてくれた」と志賀は振り返る。