三井住友海上火災保険は7日、今月下旬から海外で会社役員賠償責任保険事業に参入することを明らかにした。これまで同保険の販売は国内にとどまっていたが、2月に買収した英損害保険大手アムリン(現MSアムリン)のノウハウを取り込んだことで、海外での事業体制を整えた。役員が実際に訴えられた場合の弁護士の紹介や報道対応などのコンサルティングサービスも付けて差別化。製造業を中心に日本企業の海外現地法人などに売り込み、今後5年間で100件程度の契約を目指す。
会社役員賠償責任保険は、役員として行った業務について株主代表訴訟や第三者訴訟を起こされ、損害賠償責任を負った場合の損失を補償する。契約は会社が行い、取締役や監査役、子会社の役員といった役員個人が保険金を受け取る仕組み。役員は保険料の一部を負担する必要がある。
契約の際は海外子会社も保険の対象に含めることが一般的で、日本企業による国際的なM&A(企業の合併・買収)の活発化などに伴い、海外での現地保険契約に対するニーズが増えているという。