新潮文庫の表紙は従来、著者名と書名の見やすさを重視してきた。しかし、新シリーズnexでは本をあまり読んでこなかった人に気軽に手に取ってもらおうと、表紙はインパクトを重視し文字よりもイラストが目立つよう工夫した。「かっこいい、かわいいと思って“ジャケ買い”してもらえるかにこだわった。デザインでは他社には負けていないはず」と高橋さん。
シリーズで100万部
nexの立ち上げにあたって、高橋さんは「角川文庫を一番、意識していた」という。そのKADOKAWAは平成24年に「キャラクター文芸編集部」を新設し、キャラ文芸作品を角川文庫や角川ホラー文庫で展開してきた。担当の野崎智子さんは「当時はまだキャラクター文芸という言葉もなかったが、この名称が一番分かりやすいと考えた」と振り返る。
同社のキャラ文芸本の多くは漫画化されているほか、アニメ・ドラマ化される作品もある。また、登場人物を強調しているキャラ文芸本はシリーズ展開している作品も多く、売れ行きは好調だ。10月からアニメ放送が始まる『櫻子さんの足下には死体が埋まっている』シリーズ(角川文庫)は累計100万部超、この分野の先駆けとされる『ビブリア古書堂の事件手帖』シリーズ(メディアワークス文庫)は600万部を突破した。