シンフェロポリではこれに対し、キエフで発足した暫定政権は「非合法」であり、「マイダンの波及は許さない」という意見が多数派とみられる。キエフのデモ隊に過激な民族主義勢力が含まれていた点が強調され、「デモが平和的なら治安部隊が応戦する必要もなかった」とされる。
デモ参加者や多くの市民が、ロシアで大祖国戦争(第二次大戦の独ソ戦)の戦勝記念日に配布される黒とオレンジの「ゲオルギーのリボン」を付けているのも特徴的だ。西部との認識の溝が、歴史に根ざしていることを示している。
「キエフで成立したのはネオ・ファシスト政権であり、その価値観を受け入れることはできない。ロシア、ウクライナ、ベラルーシの3民族は同じ根から派生した枝であり、同盟であるべきだ」と教員女性のリュドミラさん(55)。
西部のウクライナ民族主義者が大戦期、対ソ連パルチザン闘争の一貫でナチス・ドイツに協力したとの見方に立ち、彼女は「民族主義者を英雄視する人々と同じ国にとどまることはできない」と力説した。(シンフェロポリ 遠藤良介/SANKEI EXPRESS)