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あの8月6日の朝を迎える前に 井伏鱒二の問題作『黒い雨』をめぐって 松岡正剛 (4/5ページ)

2014.8.5 17:55

【BOOKWARE】編集工学研究所所長、イシス編集学校校長の松岡正剛さん=9月14日、東京都千代田区の「丸善丸の内店内の松丸本舗」(大山実撮影)

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 【KEY BOOK】「夏の花・心願の国」(原民喜著/新潮文庫、529円)

 広島幟町に生まれた原民喜は、11歳で父を亡くして極端な無口になり、その後はずっと詩を書き続けて慶応の英文科で辻潤やダダに憧れる青年になっていた。1945年1月に広島に疎開したのだが、生家で被爆して二晩野宿、生きながらえた。その惨状を綴ったのが傑作『夏の花』である。その後、東京で夜間講師をしながら糊口をしのぎ、1950年の朝鮮戦争に嗚咽して『家なき子のクリスマス』を書いた。翌年、中央線で鉄道自殺した。悼(いたま)しい。

 【KEY BOOK】「原爆詩集」(峠三吉著/青木書店、1080円)

 「あの朝/何万度かの閃光で/みかげ石の厚いたにサッと焼きつけられた/誰かの腰」「燃えあがる焔は波の面に/くだれ落ちるひびきは解放御料の山麓に/そして/落日はすでに動かず/河流はそうそうと風に波立つ」「崩れる家にもぎとられた/片腕で編む/生活の毛糸は/どのような血のりを/その掌に曳くのか」「ちちをかえせ ははをかえせ/としよりをかえせ/こどもをかえせ/わたしをかえせ わたしにつながる/にんげんをかえせ」 これが峠三吉だ。

『屍の街』『人間襤褸』で原爆作家と呼ばれた大田洋子

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