49年前に購入した土地。「一家4人の数え切れない思い出がある」。帰るか離れるか、まだ考える余裕がない。足が不自由なため、公営住宅の1階を希望したが、担当者から抽選の話をされた。「外れたら、どうすればいいんだ」と不安が尽きない。
6カ月という期限に疑問を持つ人は多い。美容師、丸山淑子さん(71)の住まいは、被害が最も大きかった安佐南区八木の県営住宅。2階だったが、部屋の中はひざの高さまで泥水につかった。土砂が積もった1階では行方不明になった人もいる。「戻れるなら、ここに戻ってきたい。でも半年で元通りになるとは到底思えない」
たとえ危険だろうと先祖伝来の地を離れないという被災者もいる。「江戸時代から受け継いできた土地だ」と話す八木地区の新宮勝哉さん(70)は、ライフラインが復旧すれば、自宅に帰るつもりだ。
幸い建物にはほとんど被害がなかった。再崩壊の恐怖はあるが「そんなにすぐに、同じような災害は来ないだろう」と自らに言い聞かせるように話した。(SANKEI EXPRESS)