精米したコメを洗う「洗米」に始まり、水に漬けて水分を吸収させる「浸漬(しんせき)」、コメを蒸し上げる「蒸(じょう)きょう」、麹(こうじ)菌を育成させる「麹造り」…。日本酒ができるまでには多くの工程があり、どれ一つおろそかにできない。温度や時間、タイミングなど寸分のミスも許されないシビアな作業が続く。
白壁蔵では、設備面にも徹底的にこだわり、かつての和釜の原理を再現した連続式蒸米機や均一に温度のコントロールができる仕込みタンク、味にむらが出ないようにコメが水を吸う速度を秒単位でコントロールできる浸漬装置などを導入。一部の機械は、メーカーと独自開発するこだわりようだ。
「ここは工場でありながら、研究所でもあります。杜氏や蔵人が継承してきた経験やノウハウを継承しながら、これまで勘にたよっていた香りや温度など、データをとって数値化できるものは数値化し、それによって安定した品質の日本酒造りを目指しています」(碓井工場長)