白壁蔵で製造した日本酒は、全国新酒鑑評会において11年連続で最高賞である金賞に選ばれている。こうした成績が、工場の技術力の高さを証明している。
ただ、従来白壁蔵で製造してきたのは、販売ルートや数量を限定した製品が中心で、全国に出荷するような流通量の大きな製品は、比較的少なかった。多くの人の目に触れる大型な商品を製造することに、現場の士気は大いに上がったという。
「澪が完成し、商品のテレビCMを目にしたとき、現場では大きな歓声が上がりました。あちらこちらのスーパーやコンビニの棚に並んでいるから、家族にも『あれは、お父さんたちが造っているお酒だよ』と自慢できるようになった、と喜ぶ従業員もいます」(碓井工場長)。
原材料や設備、技術や経験にもましてお酒造りに必要なのは、「熱いハート」だという。「たとえば、休みの日に心配になって、2時間もかけて工場にやってきてタンクの様子を見に来るような従業員も少なくありません。愛情というのでしょうか。そこが、他の工業製品とは大きく異なるところ」。熟練の技と最新技術、さらにプラスアルファとして製品への愛情。この3つの要素が一つになって、初めて白壁蔵の高品質な日本酒が実現するのだろう。碓井工場長は「白壁蔵のお酒は、いつどこで、どれを飲んでもおいしい。そんなお酒を造り続けたい」と表情をひきしめた。