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ドリトル先生はぼくの伯父さんだった 動物語がしゃべれると、世界は俄然一変する 松岡正剛 (2/5ページ)

2014.10.27 14:40

【BOOKWARE】編集工学研究所所長、イシス編集学校校長の松岡正剛さん=9月14日、東京都千代田区の「丸善丸の内店内の松丸本舗」(大山実撮影)

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 ドリトル先生シリーズは12冊ある。いずれもロフティング自身の軽妙な線画による挿絵が付いていて、ほのぼのとさせるとともに、動物たちとの微妙な「間(ま)」を感じさせる。シルクハットをかぶっているのが、また律義でご愛嬌なのだ。

 ぼくが夢中になったのは、岩波少年文庫では7・8・9巻の『ドリトル先生と月からの使い』『月へゆく』『月から帰る』だった。先生が発明した聴音器で診察してるうちに、大きなガがやってきて、自分は月からやってきたと言うので、ええいままよとその背中に乗って月に冒険することにしたというお話だ。この巨大ガは「バンプルリリイ」という名で、ぼくはオシツオサレツについでちょっと恋をしたかもしれなかった。

 日本語のドリトル先生を訳したのは井伏鱒二である。1940(昭和15)年のこと、『ノンちゃん雲にのる』の石井桃子が文芸春秋社をやめた退職金で白林少年館をつくり、その第1弾にドリトル先生を選んだ。下訳を自分でやったのち、当時近所に住んでいた井伏鱒二に仕上げを頼んだのが、そのまま井伏訳シリーズになったという経緯だ。石井はその後「かつら文庫」という貸本型の自動図書館をつくったが、そこで一番読まれたのはやっぱりドリトル先生だったという。

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