平松 対話は、お互いの言葉によってあらたな言葉が生まれる有機的な関係の産物。お互いがいないと生まれない言葉が、あらたな本の表情を浮上させる…。一人では決して得られない唯一無二の体験でした。
時代性が反映される
――岡山県で生まれて子供の頃から本好きで、地元の高校を出て18歳で上京。今は物を書く仕事についている。お二人はいくつも共通項がありますね。対談からも、意気投合している雰囲気をとても感じました
平松 やっぱり本にも、時代性が反映されていますよね。例えば、中沢けいさんの『海を感じる時』。18歳のデビュー作なのですが、私たちも中沢さんと同世代で、そのときどんな思いで読んだか、当時の自分がなまなましくよみがえってきて驚きました。
小川 本って、記憶のスイッチをパチッと入れてしまうところがありますよね。