――P・ピアス『トムは真夜中の庭で』、石井桃子『ノンちゃん雲に乗る』、ツルゲーネフ『はつ恋』、西原理恵子『パーマネント野ばら』…。バラエティー豊かな本が登場しますが、互いが紹介した中で、特に「これはやられた!」という本はありますか
小川 深沢七郎『みちのくの人形たち』! ああ、自分が書いたことにしてしまいたい…と正直、思いました(笑)。
別の形で現れるかも
平松 ゆっくりと核心に近づいてゆくあの感じ。名状しがたい読み心地をもたらす小説です。もしかしたら小川さんが『みちのく~』に対して抱かれた衝撃が、いつか小川さんの作品のなかに現れてくるのかもしれませんね。
小川 かもしれません。でも、そのときは平松さんにも気づかれない形で書きたいですね(笑)。ひょっとしたら、すべての本ってそういうふうに書かれているのかもしれません。書き手さえ気づかない深いところで、小説同士、根っこがつながり合っている。