議長を務めた国連気候変動枠組み条約第21回締約国会議(COP21)でパリ協定を採択し、拍手を受けるフランスのローラン・ファビウス外相。左は国連気候変動枠組み条約事務局のクリスティアナ・フィゲレス事務局長=2015年12月12日、フランス・首都パリ郊外(ロイター=共同)【拡大】
歓声と満面の笑み
歴史的な合意を告げる木づちの音が響いた。その瞬間、歓声とともに議場は総立ちになり、各国代表らの満面の笑みがはじけた。涙を見せながら抱き合い、喜ぶ人々。パリ郊外で開かれていたCOP21は、会期を1日延長して迎えた12日、地球温暖化を食い止めるための新たな枠組みづくりで合意にこぎ着けた。
「反対はありませんね」。議長を務めたフランスのファビウス外相が議場内を見渡して「パリ協定」の採択を宣言すると、取材していた報道陣からもどよめきが起きた。「小さな木づちだが、素晴らしい仕事をすることができる」と笑顔のファビウス氏。大きな拍手が湧き起こり、約2週間にわたって協議を続けた議場は達成感に包まれた。
採択後、海面上昇で水没の危機にあるとされる南太平洋の島嶼(とうしょ)国、マーシャル諸島を代表してスピーチした18歳の女性は、今回の合意を「歴史の転換点に」と力を込めて訴えた。