スタジオジブリ・宮崎駿監督引退記者会見会見する宮崎駿監督=東京・吉祥寺(撮影:今井正人)【拡大】
--引退宣言をする映画監督が少ない中、あえて引退を公表されたのは
宮崎「引退宣言をしようと思ったわけじゃないんです。スタッフに、もう辞めますと言いました。その結果、プロデューサーから『取材申し込みがたくさんあって大変です』と。それで、こうなっちゃった。こういうイベントをやる気はさらさらなかったんです」
「スタッフはよく我慢してくれた」
--宮崎作品の功績や影響についてどう振り返っているか
〈質問者は宮崎監督に尋ねたようだが、宮崎監督は鈴木プロデューサーにまず話すよううながした〉
鈴木「そういうことはあまり考えないようにしているんです。目の前の仕事ができなくなるから。僕が宮崎作品に関わったのは『ナウシカ』から。そこから約30年間、ずっと走り続けてきて、過去の作品を振り返ったことはなかった。それが仕事を現役で続けるということだと思っていた。どういうスタイルで映画を作るのか、なるだけそういうことは封じる。作品が世間にどういう影響を与えたのか、考えないようにしていました」
宮崎「まったく僕も考えていませんでした。採算分岐点(損益分岐点)にたどり着いたらよかった、と。それで終わりです」