黒田総裁は1月の会合直後の講演や国会答弁では、「必要な場合、さらに金利の引き下げを行う」とマイナス幅の拡大も辞さない考えを示していたが、この日の会見では「質、量、金利の適切な組み合わせを考える。何か特定のものを事前に考えて決め打ちすることはない」とややトーンダウンした。
欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁は10日の記者会見で「銀行システムに悪影響を及ぼすことなく、望むだけマイナス幅を拡大することはできない」と発言し、マイナス金利の限界を示唆した。
これに対し、黒田総裁は「(日銀の)マイナス金利の金融機関への直接的な影響は最小限にしている」と強調したが、証券会社や信託銀行の要請を受けてマネー・リザーブ・ファンド(MRF)を適用除外とするなど迷走感も拭えない。
市場では、日銀はマイナス金利の拡大にはやや慎重になっていると受け止められた。国債の買い増しも市場規模の制約で難しくなる中、日銀の「選択肢」は狭まっている。