三菱電機は8日、高濃度オゾン水を利用して下水・工業排水を効率的に再生できる技術を開発したと発表した。2018年に事業化し、下水処理場や食品、薬品メーカーの工場などに売り込む。水不足が見込まれる東南アジア、中国、米国、中東など海外での展開も目指す。
下水・工業排水の処理をめぐっては、濾過(ろか)膜を利用して処理水と汚泥を分け、沈殿池や消毒槽といった設備が不要となる「浸漬型膜分離バイオリアクター」と呼ばれる処理法の導入が増えている。
この処理法は、膜に蓄積する物質を除去する必要がある。従来技術は次亜塩素酸ナトリウム水で膜を洗浄していたが、開発した新技術では、より酸化分解力が高いオゾン水を使うことで洗浄に必要な水量を削減した。消費エネルギーも25%減らし、膜の数も半減できるという。
経済産業省の試算によると、水ビジネスの世界市場のうち、再生水の分野は、2025年に07年の約21倍の2兆1000億円規模に成長する見込みだという。