韓国検察がロッテグループ創業者の重光武雄氏の長女、辛英子氏を逮捕したことは、日本のロッテホールディングス(HD)の経営権をめぐる争いにも影響を与えそうだ。創業家から逮捕者が出たことで、武雄氏の長男でロッテHD前副会長の重光宏之氏は、次男でロッテHD副会長と韓国ロッテ会長を兼ねる昭夫氏への批判を強めている。日本で長引く“お家騒動”に加え、韓国では事業に絡む不正が創業家の一員の刑事責任を問う事態に発展。混乱収束は見通せない。
7日、宏之氏は英子氏の逮捕を受けてコメントを発表。「創業家の一員として心よりお詫(わ)び申し上げます」と陳謝した上で、昭夫氏を念頭に「創業精神をないがしろにする現在の経営体制に深刻な懸念」を表明したうえで、疑惑解明に向けた説明責任を果たすように強く求めた。ロッテHDは「コメントは差し控えさせていただきます」としている。
ただ、昨年8月、今年3月、6月の計3回のロッテHDの株主総会では昭夫氏ら現経営陣が株主の信任を得ており、宏之氏の経営復帰は実現できていない。