中央ジャワ州のたばこ工場。インドネシアは、タバコの葉を栽培する生産現場で児童労働が蔓延しているという(AP)【拡大】
インドネシアは、タバコ農家での児童労働が話題となっている。米国に本拠を置き人権問題を扱う非政府組織(NGO)のヒューマン・ライツ・ウオッチ(HRW)は、インドネシアのタバコの葉を栽培する農家で多数の児童が危険な環境下での労働に従事していると主張。たばこメーカーにこうした生産者との取引を停止するよう訴えた。現地紙ジャカルタ・ポストなどが報じた。
HRWは、インドネシアのタバコ生産の9割を占める西ジャワ州、中央ジャワ州、西ヌサ・トゥンガラ州を含む4州で調査を実施。8~17歳の子供132人を含む227人に聞き取りを行い、報告書にまとめた。
同報告書によると、インドネシアのタバコ農家では、多くの児童がタバコの葉に含まれ人体に有害なニコチンへの皮膚などの露出、危険な薬品や道具の使用、重量物の運搬など、過酷な状況での労働に従事している。聞き取り調査では、ニコチンを皮膚から吸収した際の症状である嘔吐(おうと)感や頭痛、めまいなどを体験したという子供たちの証言が数多く得られたという。