ジャンフランコ・キッコ氏【拡大】
もともと分析の要素が強いビジネスに携わる人たちは、分析の及ばぬ範囲が大きい分野に対して苦手意識がある。数字や言葉にできないことを極度に怖がる。あるいは可視化できないことに価値を見出すのが不得手なことが多い。
IT業界でいえば、デバイスからアプリやコンテンツに移るに従い非分析的な世界になる。そして世の流れはアプリやコンテンツが主導的ポジションをとり、デバイスが副次的な存在になりつつある。並行して「感性」や「肌感覚」という一見して分けの分からないことが判断基準として闊歩する。
だからといってイタリアやフランスのファッション企業が世の中のすべてのトレンドをリードしているわけではない。消費者がフラフラと大枚をはたく心理を感覚で分かっている。これが、これから更に起こるであろうIT業界のヘッドハンティング劇のもう一つの本音ではないだろうか。
それなら食の世界にもそういう人材がいるのではないかとも思う。しかしながら高級外食産業は極めて職人的な世界であり、局地戦には強いが広いエリアで戦略的に立ち向かうタイプではない。
ファッションというのはなかなか巧妙な位置にあるビジネスである。
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ローカリゼーションマップとは? 異文化市場を短期間で理解するためのアプローチ。ビジネス企画を前進させるための異文化の分かり方だが、異文化の対象は海外市場に限らず国内市場も含まれる。
安西洋之(あんざい ひろゆき) 上智大学文学部仏文科卒業。日本の自動車メーカーに勤務後、独立。ミラノ在住。ビジネスプランナーとしてデザインから文化論まで全方位で活動。現在、ローカリゼーションマップのビジネス化を図っている。著書に『ヨーロッパの目 日本の目 文化のリアリティを読み解く』 共著に『「マルちゃん」はなぜメキシコの国民食になったのか? 世界で売れる商品の異文化対応力』。ローカリゼーションマップのサイト(β版)とフェイスブックのページ ブログ「さまざまなデザイン」 Twitterは@anzaih