出発点と終点が欠けた「ものづくりの話」 (1/3ページ)

2013.12.1 06:00

 「ものづくり」という言葉は1990年代から使われ始めたと思うが、それまでは「製造業」という表現が一般的だった。ぼく自身、80年代に自動車メーカーに勤めていたが、「我々はものづくりで日本に世界に貢献している」なんてフレーズを言ったことも聞いたこともなかった。

 80年代の日本は79年に出たエズラ・ボーゲルの『ジャパン・アズ・NO1』に酔っていた。「我々のつくるモノは(あの時に「モノ」というカタカナ書きで製品や商品を表すこともなかったかもしれない)アメリカやヨーロッパのレベルを凌駕した。品質、機能、コストのどれをとっても、彼らは敵ではない」と豪語していた。悩みはヒトツ。

 「どうも西洋のコピーモノという批判には真っ向から批判できない。これからは付加価値のある日本文化を意識したモノを作っていかないといけない」

 こう、メーカーの多くの人は考えた。しかし、それから20年以上を経て大きなビジネスでこの方針のもとに、80年代のあの勢いで世界市場を制覇した最終消費財メーカーはないだろう。

 先週の水曜日、銀座の紙パルプ会館でマザーハウスの副社長、山崎大祐さんとトークセッションがあった。マザーハウスはバングラデシュでバッグなどをつくり、日本と台湾で16店舗を展開するメーカーである。

 そのメーカーがマザーハウスカレッジとの名称で、銀座において「ものづくり」の連続セミナーを始めたのだ。

急成長を遂げているマザーハウスという企業のファンも多い

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