目立つだけのデザインで差別化…たいした見返りはない (3/3ページ)

2013.11.17 06:00

 世界には200か国以上の国がある。それぞれが自分たちの生活文化アイデンティティを自覚することは悪いことではない。オリンピックの開会式で各国代表団が各々の衣装を着ているのを眺めていると世界の豊かさに感謝したくなる。

 文化の多様性の維持という面から均一化に向かうのは好ましくない。

 しかしながら、「だからグローバル市場にはインドネシアらしさで売る」というのは自らの可能性を狭めている。インドネシアが好きな人は、インドネシアらしい雑貨を買うかもしれない。それだけの限定的なマーケットだ。

 「我々は世界のインドネシアが好きな人のためにインドネシアらしい雑貨を売りたい」 こういう表現であればそれはそれでいい。食産業のロジックに近い。ただ、それなら自らの2億4千万人の市場に絞ったほうがよっぽど成功率が高まるだろう。

 きっとくだんの起業家は外国競合他社との差別化のために自国文化らしさという結論に至ったのだろう。が、モロッコ好きとタイ好きの人とどう差別化が図れるというのか。

 目立つことだけを目標にすれば、たいした見返りはないと知るべきである。

 ローカリゼーションマップとは? 異文化市場を短期間で理解するためのアプローチ。ビジネス企画を前進させるための異文化の分かり方だが、異文化の対象は海外市場に限らず国内市場も含まれる。

 安西洋之(あんざい ひろゆき) 上智大学文学部仏文科卒業。日本の自動車メーカーに勤務後、独立。ミラノ在住。ビジネスプランナーとしてデザインから文化論まで全方位で活動。現在、ローカリゼーションマップのビジネス化を図っている。著書に『ヨーロッパの目 日本の目 文化のリアリティを読み解く』 共著に『「マルちゃん」はなぜメキシコの国民食になったのか? 世界で売れる商品の異文化対応力』。ローカリゼーションマップのサイト(β版)フェイスブックのページ ブログ「さまざまなデザイン」 Twitterは@anzaih

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