シュタイナーの教育法は徹底している。そこには誰もが真っ黒い宇宙の中に生み落とされた子供なんだという根本認識がある。だからどんなことも無地の黒から出発する。つまりは、われわれはすべからく「黒板」に見えてくる線や色や文字や図形をもって、当初の学習の胎動とするといいということなのだ。
【KEY BOOK】「遺された黒板絵」(ルドルフ・シュタイナー著、高橋巌訳/筑摩書房、4841円、在庫なし)
ワタリウム美術館の展覧会から生まれた横長のすばらしい一冊で、ぼくはとても大切にしている。いつかこんな本を作ってみたいと思うほどである。描かれているのは、霊感が示すヴィジョンから知覚が獲得するイメージのあれこれまで、コズミックポエムの図象から舞台装置のスケッチまで。次々に見ているだけでその奥に引き込まれそうになる。ぜひ手元に置きたい一冊だ。