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ドリトル先生はぼくの伯父さんだった 動物語がしゃべれると、世界は俄然一変する 松岡正剛 (1/5ページ)

2014.10.27 14:40

【BOOKWARE】編集工学研究所所長、イシス編集学校校長の松岡正剛さん=9月14日、東京都千代田区の「丸善丸の内店内の松丸本舗」(大山実撮影)

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 いまは映画もテレビもマンガも「動物もの」で溢れているが、ドリトル先生のシリーズほど、愉快で、けったいで、おもしろくて考えさせるものはない。

 ヒュー・ロフティングがイギリスの田舎バドルビーに住むドリトル先生を主人公にした『ドリトル先生アフリカゆき』を書いたのは1920年だ。ロフティングは第一次世界大戦に従軍し、軍用馬の射殺処分を見て心を傷め、この体験から獣医師のものを思いついた。

 先生はある日、オウムのポリネシアから、どんな動物にもちゃんとしたコトバがあるんだと教えられ、動物語の研究にいそしんだ。この噂が世界中の動物たちに伝わって、ドリトル先生のところにいろいろな風変わりな動物たちが次々にやってきた。

 メスのアヒルのダブダブはお節介焼きなので家政婦役を買ってでた。フクロウのトートーはとても知恵があるので参謀役になった。犬のジップは助手になり、ホームレスの犬たちの面倒を見た。ブタのガブガブはトリックスター役に徹した。胴体の前後にそれぞれ頭がついているオシツオサレツは、なぜかいつもはにかんでいて、ぼくの特別なお気にいりだった。

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