難しい言葉を使わなくても
この絵本で描かれているのは、見返りを求めない無償の愛です。絵は素朴で色も付いていません。けれどもThe Endの見開きページのなんと美しく崇高なことか。ALL AGESは本当にそのままです。言葉を覚えたばかりの子供でも、もう私のようないい歳の人間でも、素直に魂を揺さぶられます。木は読者にも感動という情感を与えるのです。
難しい言葉を使わなくても、人の心は動かせることを、改めて思い知らされる作品です。(作家 乾ルカ/SANKEI EXPRESS)
■いぬい・るか 1970年、札幌市生まれ。銀行員などを経て、2006年『夏光』で第86回オール讀物新人賞を受賞してデビュー。10年、『あの日にかえりたい』で第143回直木賞候補、『メグル』で第13回大藪春彦賞候補となる。12年、『てふてふ荘へようこそ』がNHKBSプレミアムでドラマ化された。近刊に『森に願いを』。ホラー・ファンタジー界の旗手として注目されている。札幌市在住。