増税前の駆け込み需要で膨らんだ「家庭内在庫」への対策に、食品メーカーなどが懸命だ。目新しい商品の発売で関心を呼んだり、新レシピの提案で在庫消費を促したりと、あの手この手で購買意欲を誘う。
「買いだめしたルウを早く食べきらせたい」と狙うのは、ハウス食品の販促担当者。カレールウは保存が利きやすいだけに、3月の販売量は市場全体で前年同月比約20%増と、事前の想定を大きく上回った。
そこで同社は、新しい食べ方「つけカレー」を今月から紹介。ホットプレートで焼いた野菜、肉などにタレ代わりのカレーをつける提案で、店頭実演やテレビCMでアピールする。
買いだめできない食料品をめぐっても、森永乳業が720ミリリットルと小容量の牛乳「プレミル」シリーズを先月発売。タンパク質や食物繊維を加えて健康志向に訴求しつつ、小人数世帯でも飲みきれる量に抑えて「冷蔵庫内の在庫回転を早めたい」(広報)と狙う。