外食や持ち帰って食べる弁当などに含まれるアレルギー物質を表示したり、食物アレルギーに対応したメニューを提供する店が増えている。ただ、提供内容が正しいとは限らず、食べた人がアレルギーを起こす事故につながるケースもある。専門家は外食業界に対し、正しい理解に基づく表示や対応に加え、アレルギー対応の食品の持ち込みを認めるなど発想の転換を求めている。(平沢裕子)
中途半端で事故
「バイキング料理の成分表を見てアレルギー物質が入っていない料理を選んだが、成分表と内容が違う料理があった」(東京都内のホテル)「店側に乳、卵、小麦を使っていないパンであることを確認したが、実際は違った」(兵庫県内のホテル)
どちらも食べた子供がアレルギーによるアナフィラキシーショックで病院搬送され、入院したケースだ。
誤食の原因について、東京都内のホテルは「お皿やトングの使い方や従業員の手を介して食材の“混入”が起こることまで注意していなかった」、兵庫県内のホテルは「事前に宿泊客とアレルギー対応について打ち合わせをした担当者が当日休みで、情報が引き継がれていなかった」と説明している。