ニノイ・アキノ国際空港に帰国して荷物を待つ国外就労者たち。フィリピンは、国外就労者の送金が経済を支えている=マニラ(AP)【拡大】
フィリピンは昨年、国外就労者からの送金額が前年比4.6%増の257億6700万ドル(約2兆9307億円)で過去最高を更新した。国内総生産(GDP)に対する比率が9.8%となり、前年の8.5%から拡大した。現地紙マニラ・タイムズなどが報じた。
フィリピン中央銀行によると、昨年の送金額の内訳は約200億ドルが陸上就労者から、約58億ドルが海上就労者からだった。送金の多かった就労先は米国、サウジアラビア、アラブ首長国連邦などとなっている。
一方で、増加率は前年の7.6%から減速した。背景には、企業などから業務の一部を請け負うビジネス・プロセッシング・アウトソーシング(BPO)産業の成長で国内の雇用機会が増えたことなどがある。フィリピンは昨年のGDP成長率が5.8%を記録し経済が比較的好調なこともあり、国外への出稼ぎの必要性が以前より薄れていると専門家は分析している。