ネガティブに感じる部分から日本文化を評価する (1/3ページ)

2013.12.29 06:00

ビアモンティ氏

ビアモンティ氏【拡大】

 日本の工場の生産性は世界に誇るものがある。が、いわゆるホワイトカラー(こんな表現がまだ通用してよいのか?)の生産性は驚くほど低いというのが通説になっている。

 ミーティングが始まる時刻には厳しい。その割に終わるタイミングに関しては杜撰。なにせ船を漕ぐ人もでる。そして無駄口を叩きながら夕食の時刻になっても平気で残業をしている。

 長時間労働は実に評判が悪い。しかしまるっきり無意味なのだろうか。ポジティブな側面に光をあてることはできないだろうか。

 「長時間労働はハンドクラフトや知的作業と相性がよい。良いアイデアはまったく別の仕事をしている時に出てくるものだ。もちろん人によって違うが、連続的で合理的なプロセスでクリエイティブなアイデアが出ないのは確かだ」 

 こう話すのはミラノ工科大学でインテリアデザインを教えるアレッサンドロ・ビアモンティ氏だ。一見効率の悪そうなジグザグのプロセスほど輝くアイデアが「降りてくる」。その彼が日本文化に言及する。

 「日本では時間の価値を他の地域よりも重視しているようにみえる」

 個人的な意見だが、と断りながら続ける。

 「無数のディテールに立ち向かうのが日本のアプローチだ。だから『時』もひとつひとつの瞬間にこそ重みがある」

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