ビアモンティ氏【拡大】
「ぼくが日本文化を語る時、大量生産もカバーしている。工芸品だけではない。外国人として、デザイナーとして、アレッサンドロという個人として、日本の伝統的アイコンをサブカルと分けることはできない。同様にソニーやMUJIと伝統的な漆の工芸品を区別できない」
そして、こう大胆な言葉を吐く。
「いってみれば日本文化そのものが長時間労働の最も価値あるアウトプットなのだ」
聞き捨て難い新鮮な見方ではないか。ただ、暗黙知の多い日本文化は誤解もされやすい。よく日本の工芸品などには「(西洋にはない)深さを感じる」と語る欧州人がいるが、ぼくは文化圏によって深さなど違うものだろうかと疑心暗鬼だ。そんなことはないはずだ。
ビアモンティ氏は一つのヒントをくれた。
「日本には何かを作っている最中に、あたかも祈りを込めるような態度があると思う。そういうことが欧州、すくなくてもイタリアにはない。作ることは作ること。祈ることは祈ること。二つは別物だよね」
深い思索には長い時間が必要であり、長時間労働はクリエイティブな発想と深い考えを生むに貢献するであろう。日本文化のアイコンをお決まりのようになぞるだけでなく、ネガティブに言われる部分から日本文化を評価することも必要だ。