
保険商品手数料の透明化の徹底に動き出した金融庁【拡大】
背景には、調整を進める中で地銀業界から「銀行を狙い撃ちにするのは不公平」と反対の声が強まったことがある。
地銀はマイナス金利政策で貸し出しの利ざやが縮小し、金融商品販売などの手数料稼ぎに力を入れている。手数料開示で「ドル箱」の保険販売のうまみがなくなれば、収益低迷の危機にひんすることから、「保険の代理店が対象にならないのはおかしい」との理屈も持ち出して反発した。
指針改正の凍結は一見、金融庁がこうした意見に配慮したようにみえるが、内情はむしろ逆だ。金融庁担当者は「業界に反対されようが、僕らはやるべきことはやる。これは長官マターになった」と語る。
■銀行、生保 問われる「本気度」
「地銀はまだそんなことを言っているのか。顧客本位でないことの表れだ」。凍結の舞台裏では、開示に否定的な地銀の姿勢に金融庁の森長官が怒りを爆発させていたのだ。
森長官は昨年7月の長官就任以前から、フィデューシャリー・デューティーの徹底に事あるごとに言及し続けてきた。長年の取り組みにより、ある程度は成果が上がってきたとみていたはずだが、蓋を開けてみれば、地銀から飛び出してきたのは顧客目線を欠いた正反対を行く言動だったからだ。