「キャメロン首相辞任は影響があると思う」。財務省幹部は不安を口にする。
キャメロン氏は2013年に当時の先進8カ国(G8)首脳会議(サミット)議長として「課税の透明性」を最優先課題に掲げ、BEPSの議論を提起した。また、英国領にはケイマン諸島やバージン諸島など租税回避地が多くある。課税逃れ対策の実効性を高めるため、これらを軒並み金融口座情報の自動的交換の枠組みに参加させた。キャメロン氏辞任後も英国がこの推進力を持続できるか、先行きは不透明だ。
税の抜け穴をふさぐには新興国も含むできるだけ多くの国の国際協調が不可欠で、日米欧には模範を示し、各国をリードする役割が求められる。だが、英国のEU離脱交渉が長期化し、課税逃れ対策に対しても温度差が表面化するような事態になれば、各国を主導するどころではなくなり、課税逃れ対策の国際協調に影を落としかねない。