フィリピンは、ムスリム(イスラム教徒)の旅行者増に注力する。同国観光省は、今年4月までに首都マニラを中心にレストランなど50施設に、イスラム法順守を示すハラル認証を取得させることを目指すなど、フィリピンをムスリムの主要な旅行先にする取り組みを開始した。現地紙マニラ・ブレティンなどが報じた。
米クレジットカード大手マスターカードによると、世界のムスリム観光市場は2014年の旅行者1億800万人、市場規模1450億ドル(約16兆3720億円)から、20年に1億5000万人、2000億ドルに成長する見通し。ムスリムが多い新興国の所得増などが要因だ。
雇用創出や外貨獲得を目的に観光振興を目指すフィリピン政府は、受け入れ態勢を整えて、中東や東南アジアのムスリム旅行者を獲得したい考えだ。観光省がムスリム向け宿泊施設の格付けなどを行うシンガポールのクレセントレーティングと提携するといった新しい試みも始めている。